Suite Française by Irèna Némirovsky
ずっと読みたいなと思っていたんですが、かなり厚い本なのでフランス語版(原語)をためらっていたダメダメな管理人ですが、先日英語版を見つけたのでさっそく買ってしまいました。
フランス語版はすでに2004年ごろに発売されていてベストセラーになっていたのですが、この翻訳版はけっこう最近の発売です。それでも、New York Timesの書評に載ったりしていて、なかなか話題になっているようです。ちなみに上の写真は英語版のカバーです。フランス語版より可愛いかったのでこっちにしてみました(殴)。
さて、この本。
原語のフランス語版でさえつい数年前の発表ですが、実際に書かれたのは第二次世界大戦中、フランスがナチスに占領されて始めた頃なのです。
著者のネミロヴスキーは、ロシア生まれのフランス人女性。ユダヤ系の家庭に生まれていますが後にキリスト教に改宗しています。1943年にナチスの手によってアウシュヴィッツに送られてしまうまで、幾つかの本や小説を残しています。
実はこの
Suite Francaise 、65年近くもの間、世に出ることなく埋もれたままだったのです。
しかも著者がアウシュヴィッツで亡くなった事によって、未完成のままでもあります。本来は五部からなる作品のはずでしたが、残っているのは二部のみ。
ナチス占領下のフランス人の生活をありのままに小説として残す・・・というのが、彼女が当初計画していた事のようです。しかし結局、それは叶わぬまま彼女はナチスに捕らえられ、作品は埋もれたままになっていました。
その二部を一冊として出来たのが、この
Suite Francaise です。
一部、"Storm in June"(六月の嵐)は、パリが舞台になっています。
スノッブ(気取り屋)なパリジャン達や色々な人々が、占領されたパリから中部以南へと逃げようとする様子が書かれています。
そして二部、"Dolce"(ドルチェ)はこうして方々から逃げてきた人々が、南仏で生活する様子を読むことが出来ます。
作品の歴史的価値はもちろん(60年以上埋もれていたことになります)、ただ小説としての完成度が高くて面白い作品です。
そんな訳でひさしぶりに読書感想なんかを書いてみました。
日本語版、出るのかな??
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